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自律

 自律的な芸術作品については、作品そのものの出来具合いというものは最も重要になってくる。芸術作品とは、物質化したものである。作家は、自分の精神を物質化する。鑑賞者も眼をフィルターに作品を取り込む。作家の精神を読み解く必要もある。見えているものは、3次元である。しかし、その先に見えるものは、そうとは限らない。
決して個人が趣味でやっていることを芸術とは言わない。かと言って対社会的なものを全て芸術というわけでもない。ゴッホが時代に認められていなかったから当時は、芸術じゃなかったのか。現代では、芸術なのか。それは、違うであろう。
 しかし、世の中には芸術としか言い様のないものが存在する。芸術というものが、もはや自律的な存在なのではないのだろうか。美術でもない、音楽でもない。美術の中には、もはや収まりきらない絵画や彫刻。音楽とはもはや言うことの出来ない、楽曲や歌や演奏。芸術とは一体社会にとってどんな存在なのであろうか。一番大きな存在の自律とは、天候ではないのだろうか。地球の周りに衛生が飛んでいても、台風の予測というものは、今でも予測通りにはいかない。地球の天候は、地球が支配する。雨が降らなかったり、降りすぎたり。それが、コントロール出来た時に一体それを自律的とは呼ばないのであろうか。いくら人類が、自然を破壊して文明を築こうとも、地球に飼われているのは事実だ。地球人が地球という惑星に気づかない頃、自然を神と崇め、雷や嵐を神の怒りだと考えた。虹や、雨、自然の風景を美しいと感じるのが人間である。この地球で一番美しい物は、自然である。その自然を壊してまで文明や文化を発展してきた。文明や文化が発展してきた度に、人類は人類としての創造として芸術を生み出して来た。それは、自然の美しさに近づく為であるかのように。人類は、地球を飛び出して宇宙にまで進出した。宇宙から見た地球も美しいものであった。実際に、作家や演奏者達が宇宙に飛び出す時がきたらどんなに素晴らしい物を生み出すのであろうか。そのとき、もっともっと自律的な作品が見えてくるのではないのだろうか。


自律(goo辞書より)
(1)他からの支配や助力を受けず、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制すること。
「学問の—性」
(2)〔哲〕〔(ドイツ) Autonomie〕カント倫理学の中心概念。自己の欲望や他者の命令に依存せず、自らの意志で客観的な道徳法則を立ててこれに従うこと。
by stencil-works3322 | 2005-08-14 19:51 | 芸術・芸術論